訳者 まえがき
1745年4月に、主がスヴェーデンボリに現れました(当時57歳)。このことはたまたまの恩恵であるかのようにスヴェーデンボリの身の上に起こったことではなく、そこにいたるまでには、ダルカールリア人の特質を含めて父から受け継いだ遺伝、特殊な呼吸法などの幼児の頃からの習慣、若者時代でのイギリスへの留学、鉱物学などの自然科学や霊魂を探求するための解剖学の研究、さまざまな哲学的考察、それらのことすべてを通して、スヴェーデンボリに霊界が開かれるための準備が着々となされてきたのでした。本書はこのことに焦点を当てて書かれています。
本書を読むとき、また随所に述べられているスヴェーデンボリ自身の回想からも、彼に霊界が開かれることは、本人の周到な準備の下に、偶然ではなく必然の出来事であったということがよくわかると思います。
著者のアルフレッド・アクトン主教は、現在の“ジェネラルチャーチ”、それと“主の新教会”の主教でもあるアクトン二世(これまで2度来日し、講演されています)の父です。
神学博士でもある主教は、スヴェーデンボリ研究に多大の業績を残され、そのおもなものは大著『聖言の講解』の英訳(全9巻、別冊の「序論」が『転身期のスウェーデンボリ』として邦訳されています)、『スヴェーデンボリの手紙と請願書』(全2巻)であり、どちらもスヴェーデンボリを研究するための貴重な資料となっています。
2004年10月13日 鈴木泰之